真鯛の稚魚の放流@田子港 にいってきました

2022.08.25

2022年7月21日、

静岡県庁の皆様と漁協の有志の皆様と稚魚放流の活動の一部である

「マダイ尾数の計数・放流作業」お手伝いに参加いたしました。



この稚魚放流の活動は1978年から毎年継続して地域の皆様と協力しながら実施されています。

(榛南は1977年から、伊豆は1978年から)




中間育成をおこなっている地区の漁業者、漁協職員、漁連、研究所、県庁水産資源課の方々が主なメンバーとのことです。



ネッツ静岡は昨年、駿河湾の現状とこの活動の話をお伺いして

静岡の豊かな海を守りたい、地域の皆様にもこのことを知ってほしいと思い、

2021年7-9月にアクア・ヤリスをご成約1台につき100匹の稚魚を放流するという

キャンペーンを実施し、稚魚2.5万匹分を支援させていただきました。



みなさまにご協力いただいた稚魚はすくすくと育ち、2022年の放流分として先日放流されました。

この稚魚放流の活動をみなさまにも知っていただきたい!自分たちの手でお手伝いしたいと思い、

今回田子港での放流に参加させていただきました。



■駿河湾は元々海の幸に恵まれているのになぜ真鯛の稚魚の放流が必要なの?

昭和20年代に400トン程度であったマダイの水揚げは、昭和50年代には50トン以下まで減少しました。
しかし、放流事業の成果により、最近では約100トン前後にまで増加してきています。
http://www.pref.shizuoka.jp/sangyou/sa-430/madaikyo.html 静岡県公式HPより)

マダイを卵から育成し、大きくしてから海に放流することで生存率が上がるそうです。

現在の駿河湾のマダイ漁は稚魚放流活動(栽培漁業)にささえられています。



・8:30に田子港に到着!

準備をしてすぐにボートを使っていけすへ

今回は漁業振興基金1名、県3名、漁協のみなさま約10名、ネッツ静岡4名で活動を実施しました。

高齢化が進んでいるので、お手伝いできる若手募集中とのことでした!




・稚魚のいけすに到着

いけすは全部で8つあり、それぞれ網が張られており、その中で稚魚が育てられています。

稚魚を育成しているエリアは5つあり、網代・田子・内浦・焼津・地頭方です。

稚魚の数は全部で102.8万匹で、それぞれのエリアの漁協のみなさまにご協力いただいて
放流を実施しています。田子は約12.3万匹でした


・いけすの中の稚魚

8つそれぞれ中の稚魚の大きさや数が違いました。
同じようにえさをあげているはずですが、
強い個体がいたりするとこういった現象がおきるようです。

産卵から3か月たつとこの大きさになります。

卵から稚魚になるまですべての魚が生き残っているわけではなく、
病気や共食いなどもありこの大きさになるまでに減ってしまいます。
それでも自然界で育つよりはかなりの数になるため、稚魚育成は大切な活動なのです。



・いけすの上での作業

不安定ないけすの上はバランスをとるのが難しく、はじめは歩くのも恐る恐るでした。

皆さん移動が速く、飛び移ったりもされていて驚きました。


・稚魚の計測作業

稚魚放流の前に、今年の稚魚の出来をチェックします。
魚の重さ、大きさ、数を手作業でチェックします。水温や収容密度などにより差が出るため、
成長を確認して計数日を決めます。平均サイズが6cmを超えてから放流となります。



・放流場所までの運搬

稚魚が酸素不足にならないよう、海の水を常時くみ上げた状態で運搬します

稚魚が育ちやすい敵が少ない場所に移動させます。

ポイントは水深10m程度の砂地で、適度な転石がある場所。

砂地はマダイの保護色になり、転石は隠れ場所になるそうです。



・稚魚の放流

網をつかって船から海へ向かって放流。魚を網の中にいれるのが意外と難しいです。

ばしゃばしゃと落としても意外と魚は強いそうなので大丈夫とのこと。



・少し離れた場所に大きな船で移動

大きな船を出していただき、少し離れた場所へ。

稚魚の放流作業の流れは以上です。

このように計数作業を行ったマダイは、約3日以内にすみやかに各地に放流されます。

シーズンオフの期間はに網や生け簀の修繕をしたり、
地元小学生の体験放流を実施したりするそうです。

我々のお手伝いが終わったのは13時ごろでした。




炎天下の中の力作業の連続で、これは動ける若者が必要だと強く感じました。

(といっても皆さんものすごく元気な方々で、
参加した我々より数倍元気で体力がありましたが、、、笑)

高齢化により、どうしても参加できなくなっている方が増えているそうです。

焼津地区以外は漁業者、市町職員の参加が少なく困っているとのことでした。

このままの状態が続くと、稚魚放流ができない時が来てしまうのではないかと不安があります。

ネッツ静岡は静岡の企業としてできる限りお手伝いしていきたいと思っております。

また、こんな活動があるということを発信していければと思います。

我々だけで活動するのではなく、まちの皆で協力しあって静岡を守っていけるのが一番良いので、
みなさまと一緒に活動する機会を企画できればとも検討しております!

その際は是非ご参加いただけますと幸いです。



【栽培漁業推進事業について(公益財団法人静岡県漁業振興基金)】

栽培漁業推進事業は、静岡県沿岸の海洋資源(魚介類等)を増やすため、
人工的にふ化させた稚魚等を、自然の海で元気に生活できる大きさまで育ててから、
海に放流する事業です。これらの人工ふ化・中間育成・種苗放流をまとめて栽培漁業と言います。

 静岡県漁業振興基金では、静岡県が定める静岡県栽培漁業基本計画に基づいて、マダイ、
ヒラメ等の魚種を対象として、人工的にふ化(種苗生産)された稚魚等を購入し、
放流に適した大きさまで育成(中間育成)してから放流しています。

【静岡県温水利用研究センターについて】
静岡県での放流に用いられる稚魚の多くは静岡県温水利用研究センター
(本所:御前崎市、分場:沼津市)で生産しています。温水利用研究センター本所は、
浜岡原子力発電所の温排水を有効利用して魚介類の種苗を生産・供給することにより、
排出される温水により影響を受ける地域を中心に水産業の振興を図ることを目的に、
昭和47年に旧浜岡町(現御前崎市)に建設されました。
また、温水利用研究センター沼津分場は、平成17年4月に県栽培漁業センターの施設と
業務の一部を移管して稼動を開始しました

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